日本六犬種
秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、四国犬、北海道犬。国の天然記念物に指定されている日本固有の6犬種を日本犬といいます。日本犬の多くは狩猟犬として鳥獣狩りのお伴をしてきたため、身体能力が高く、性格は、主人と認めた人には忠実で素朴、勇敢だといわれます。誰にでも飼いやすい犬ではありませんが、強い絆を育むことができます。
犬は古くから日本人にとって身近な動物でした。
縄文時代には人間同様丁寧に埋葬された犬の骨が見つかっており、
古墳時代の遺跡からは、首輪をつけた犬の埴輪が出土しています。
狩りのパートナーとして、人生の伴侶として、
犬と日本人が特別な関係を築いていたことが伺えます。
平安時代には『枕草子』や『源氏物語』といった
文学作品にも自由に動き回る犬の姿が描かれ、
鎌倉時代には鷹狩りの猟犬として洋犬が重宝されました。
その後、犬を放ち先の丸い鏑矢で射る技を競う
「犬追物」が流行しましたが、
江戸時代には当代きっての絵師たちがこぞって愛らしい子犬の姿を描き、
犬を擬人化した物語が人気を博しました。
現代においても犬を擬人化する広告や物語が数多く制作されるなど、
いまも昔も、日本人にとって犬は愛おしい存在なのです。
日本六犬種
秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、四国犬、北海道犬。国の天然記念物に指定されている日本固有の6犬種を日本犬といいます。日本犬の多くは狩猟犬として鳥獣狩りのお伴をしてきたため、身体能力が高く、性格は、主人と認めた人には忠実で素朴、勇敢だといわれます。誰にでも飼いやすい犬ではありませんが、強い絆を育むことができます。
信仰と犬
犬と人間は精神的な結びつきが深く、しばしば信仰の対象になります。神社や寺の入り口に鎮座する狛犬は厳密には犬ではありませんが、猟犬として外界との対応に重要な役割を担ってきた犬に威厳を添え魔除けとされました。また、多産でお産が軽い犬にあやかり、安産を願う「犬張り子」など、犬の子安信仰の縁起物も各地に見られます。
日本の著名な犬
日本で最も有名な犬は、渋谷の駅前の銅像で知られ映画にもなった「忠犬ハチ公」でしょう。日本全国にはハチ公以外にも忠犬として知られる犬がおり、飼い主の代わりに伊勢神宮にお参りをした福島県の「おかげ犬」や、怪物から村人を救った静岡県の「しっぺい太郎」などはゆかりの地で銅像になっています。全国の忠犬の逸話や銅像は60を超えるといわれています。
美術と犬
伊藤若冲、俵屋宗達、与謝蕪村といった江戸時代を代表する画家たちも犬に魅了され、積極的に絵の題材にしました。中でも円山応挙が描く、ころころと丸くあどけない表情や無邪気なポージングなど、無垢な子犬の愛らしさを凝縮した表現は「応挙の子犬」と評され、江戸時代から現在にいたるまで国内外の人の心を掴んできました。
犬年
2018年の干支は犬。十二年に一度の「犬年」です。新年のはじまりを祝い送り合う年賀状では、その年の干支の動物をモチーフにしたデザインに出会えますが、ここでは紙の専門商社 竹尾にクリエイターたちから届いた年賀状の一部をご紹介します。犬というテーマから繰り出された多様な表現をご覧ください。
現代のくらし
instagram等を覗いてみると、日本で暮らす犬たちの生活を垣間見ることができます。一般社団法人ペットフード協会が行った調査によると、2017年には調査開始以来はじめて猫の飼育頭数が犬の飼育頭数を上回りましたが、犬の人気は依然として高く、全国でおよそ900万頭の飼い犬たちが家族と生活をしています。
犬のための建築
「犬のための建築」は2012年に始まった、犬と人間の幸福のための建築プロジェクトです。犬の尺度で建築を捉え直すことで建築の可能性を模索します。公式サイトでは13組の建築家・デザイナーが考案した犬のための建築作品が、自由にダウンロードできる図面や写真・ムービーと共に公開されています。